1、弔辞作成のポイントと奉読の作法
1、弔辞作成のポイントと奉読の作法
|
|
弔辞は故人を弔い送るのみではなく、生前の業績をたたえ、故人の人となりや経歴を参列者たちに伝えるのが目的です。弔辞は奉読後に祭壇に供え、最終的には遺族のもとで保存されます。
|
|
●文章は原稿用紙二枚ぐらい
|
|
弔辞の長さは決まりはありませんが、一人3~7分で、5分以内がよいでしょう。また、奉書紙一枚に書く場合には、一般的に四百字詰原稿用紙2枚ぐらいを基準にするとよいでしょう。これならば、朗読時間も2、3分程度ですみます。
|
|
●節度をもった表現
|
|
弔辞のなかに故人の経歴や業績を入れる場合には、事前に遺族や関係者に確認しておきます。死亡原因(病気とか事故)については、あまり詳しく述べたりしないのがマナーですが、死に至った経緯などは、ある程度知っておいたほうが故人の一生を掴むうえで必要でしょう。また、自分の気持ちを率直に表すことも大切ですが、遺族や参列者に不快感をあたえるような記述は絶対に避けます。
|
|
●忌み言葉に注意 |
|
忌み言葉は、遺族や参列者に不快感をあたえたり、葬儀の雰囲気を乱したりすることがありますので、使わないのがマナーです。「くれぐれも」とか、「返す返すも」「重ね重ね」などの「重ね言葉」も使いません。これは不幸が、重ならないようにとの願いからでたものあり、同じ意味で、「幾重にも」とか「再三」「追って」なども使わないほうがよいでしょう。
|
|
●呼びかけの言葉で始めます |
|
一般的に弔辞は故人への呼びかけの言葉で始めます。「謹んで○○さんの御霊前に申し上げます」「ここに○○株式会社専務取締役○○○○氏の葬儀が執り行われるにあたり、謹んで同氏の御霊前に申し上げます」等、呼びかけ方は、弔辞を捧げる者と故人との関係によって違ってきます。ただし、キリスト教式の葬儀では、呼びかけはしないことになっています。
|
|
●奉読の作法 |
|
弔辞は書き上げられた文章を朗読する形式がほとんどで、司会者に呼ばれたら霊前に進み、まず僧侶、遺族席に一礼します。次に遺影に一礼して弔辞の包みを開きます。そして以下次の順序で行います。
|
|
●弔辞の読み方 |
|
弔辞は故人へ語りかけると同時に、その遺族や参列者にも聞いてもらうものです。ですから、耳で聞いてわかりやすい言葉や発音しやすい言葉を選びます。そして、 ■低く静かに ■ゆつくり一語一語かみしめるように ■心をこめ、ていねいに読み上げることが大切です。 弔辞を読む時の感情の表現はむずかしく、悲しみをそのままストレートに表現したのでは、かえってわざとらしくもなり、また、あまり形式ばった言葉や美辞麗句の羅列でも困ります。 格式のある弔辞とは、故人を追慕し弔う心のあり方が、素直に文章の中ににじみ出ているものといえましょう。 |